コロナ禍を背景に、リモートワークとの相性の良さからエンジニアの転職市場はより活発になってきていると感じます。
最近のSNS上では、プログラミングの学習を行っているというアカウントが増えてきており、当社にも異業界からのエンジニア志望者が増えています。しかし、転職を希望する多くの方々の中で、実際にエンジニアとしてのキャリアを築けている方は半分にも満たないというのが現状となっています。
「なぜ多くの人々がエンジニアへの転職を果たせないのか?」当社の視点から分析を試み、エンジニアに転職できた方々の共通点を元に、その要因について考察していきたいと思います。
学びの過程でのアウトプットの大切さ
エンジニアになるために机上の勉強をすることはとても重要ですが、いつまでも勉強だけをしているのは危険です。どこかで区切りをつける必要があります。 プログラミング勉強中という人の中にはいつまでも勉強の域を超えられていない人が多く見受けられるように感じます。
インプットとアウトプットの割合は3:7が良いと言われています。
インプットだけしていては何も生まれません。インプットは続けようと思えばいつまでも続けられるゴールのないマラソンのようなものです。
目的なくインプットだけ続けていては次第に勉強を続けるモチベーションが低下してしまいます。勉強を続けるためにもアウトプットをする必要があるのです。
そのため、まずはアウトプットをせざるを得ない環境に身を投じることが重要です。例えば以下のようアウトプットが挙げられます。
スタートアップ企業にインターンシップとしてジョインする
プログラミング学習塾でアウトプットする場を設ける
勉強したことをブログに記載してアウトプットする
ベンダー資格や基本情報技術者試験等を取得する
最近は、平日は自分の仕事をして週末だけインターンするという複業的な働き方もありますので、それも有効です。
反対に、学習したことをSNSで日報形式で投稿することはあまり有効ではないと思います。 あくまでも学習したことを活かして何かを生み出すことに意味がありますので、報告形式のアウトプットはあまり意味がないと感じています。
アウトプットをすることで自分に足りていない部分が明確になりますので、インプットの質も向上し、相乗効果が期待できます。 また、アウトプットというのは学習を続ける原動力になりますので、途中で投げ出すリスクも減らすことができます。
正確な学びのためのメンターの重要性
プログラミング学習を進めていくと必ず自分だけでは解決できない部分が出てきます。
書籍やブログを参考にして、なんとか動くまで持ってきたが「なぜ動いているのか?」「これが本当に正しい実装方法なのか?」と感じた経験は誰しもあるかと思います。 誰にも相談せずに、これが正しいのだと自分の体に刻んでしまうと、変な癖のある可読性の悪いプログラムを実装し続けることになります。
独学のみでプログラミング学習をステップアップしていくことはオススメできません。
右に行くか左に行くか道に迷ったときに間違った方向を選んでしまうと到達する場所も全く別の場所になります。 スポーツの世界でもコーチのもと正しいフォームでトレーニングを行うことで実力を伸ばせられるのと同じように、エンジニアの世界にもコーチ(メンター)の存在は絶対に必要です。
このコードが正しいのかレビューしてもらうことで新しい技術を習得する機会が与えられますので、確実な成長が見込めます。 独学で学習している方は、一旦学習を止めてメンターを探しに注力したほうが良いです。
メンターを探す方法としておすすめなのが、知人から現役エンジニアを紹介してもらうことです。
「エンジニアに転職したい人がいるから相談に乗って欲しい」という旨を伝えればほとんどのエンジニアは喜んで話を聞いてくれるでしょう。 これは不思議なことで、人は自分の喜びよりも他人の喜びのほうが幸福や充足感を感じる傾向があるので、意外と快く引き受けてくれます。
紹介してもらった現役エンジニアからメンターにしたい人を選ぶと良いでしょう。 現に筆者自身も現役エンジニアとしての立場から相談を受けてメンターになったことが経験が多くあります。
どうしても周りにエンジニアの知人がいないという方はMENTAというマッチングサービスもありますので、これを使用してみるのも有効かと思います。
エンジニアとしての歩み
どのような業界でもはじめの一歩を踏み出すことはとても勇気が必要です。
アウトプットが重要だと理屈では分かっていてもインプットばかりしてしまうのは、変化を嫌う人間にとって当たり前の思考だと思います。 しかし、エンジニアになりたいと本気で思うのならば勇気を持って踏み込むことを強くおすすめします。
- 強制的にアウトプットする機会を設ける
- メンターを作る
まずはこの2点を厳守するだけでもエンジニアになれる確率が格段に上がると確信しております。
エンジニアになりたかったのに途中で挫折してしまうのはとても残念なことです。 そのような人をなるべく生み出さないためにも、弊社も微力ながらこのような発信を続けていきたいと思います。